こんにちは。
鈴木歯科クリニック院長の鈴木喜之です。
歯の骨への癒着についてお伝えします。
本来歯の根(歯根と呼びます)と骨と間には歯根膜と呼ばれる薄い膜状の組織があります。
歯根膜はとても大切は組織で、歯周病によって歯を支える土台となる部分(歯槽骨と呼びます)が失われた際に、歯槽骨を再生させる重要な要素になります。
ちょうどトランポリンのスプリングのような役目をしており、歯で噛んだときの力をダイレクトに骨に伝えるのではなく、緩衝させる(力を逃がす)役目もあります。
この歯根膜が失われて、直接歯と骨ががっちりついている状態を「癒着」している状態になります。
インプラントは骨との癒着をしている状態です。ですから「咬める」のです。
歯科治療の際にどう問題になるかというと、多くは抜歯の際に抜歯が困難になるということです。
癒着は歯の根の治療がうまくいかず、痛みや腫れを経験した長引いたケースで多く経験します。
抜歯の際には、骨と一部分癒着していますとびくともしなくなりますから、骨と歯根の癒着部分を切断して切り離す必要がでてきます。
骨を削ることにもなりますので、その結果抜歯後の痛みや腫れにつながる事もあります。
抜歯を行う前にレントゲンでもある程度は予測できますが、なかなか抜けずに、時間がかかると初めて気がつくこともあります。
患者様には、癒着した抜歯の際には「時間がかかる、抜歯後の痛みや腫れの可能性がある」ということをお伝えしています。
矯正治療でも動かない歯があるときは、稀に癒着を起こしていることもあるそうです。
本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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