こんにちは。
鈴木歯科クリニック院長の鈴木喜之です。
今回は歯の本数についてお伝えしたいと思います。
3月5日山形新聞夕刊より
日本小児歯科学会発表で、1本から数本生まれつき足りない「先天的欠如」の子供が10人に1人の割合でいると発表された。
なお原因は不明。
7歳の段階でエックス線撮影で永久歯の芽(歯胚)が確認されないと99%の確率で欠如してしまうとのこと。
上アゴだけ欠如2.5%、下アゴだけ5.7%両方が1.9%で、5本目の第2小臼歯と2本目の側切歯の歯がない子が多いとのこと。
予防ができないため、欠如した場合には歯並びを変えたり、将来インプラントによって咬合できるようにするとのこと。
以上が新聞の概要です。
私の実感では10人1人もいたのかという驚きと1,2本の欠如はさほど問題がなく、本人もあまり気にしていないことが多いと思います。
1番困ることは見た目(審美)と音漏れ(サ行)などがありますが、1,2本程度ですとそのままにしている方が多いと思います。
ただ数本に渡りますと確かに咬みにくくなったり、審美、発音に影響を及ぼすために、将来的にはインプラントや矯正を検討した方がよいときがあります。
話は変わりますが
患者様に私がいつも質問していること。
人間の歯は何本ありますか?
答え 28本(親知らずの歯を含めると32本)
日本人の80歳での歯の本数は何本ですか?
答え 6.8本
ちなみにアメリカ人、15.8本(75歳時点) スウェーデン人19.5本(85歳時点)
なぜこんなに残っている本数が違うのですか?
答え 日本では「歯をきちんと直すこと」が目標になっており、「歯を予防する」という 考えが定着していからです。
患者様は歯の治療を完了することがゴールになってしまい、歯を一生使うためにはメンテナンスという歯の手入れが重要だということが伝わっていないと思います。
初めは小さいプラスチックを詰め、次に部分的な銀歯になり、3番目に神経をとり、歯を小さくして銀歯などで全部被せてしまい、4回目や5回目の治療の時は抜歯につながることが多いということを。
これが2,3年という短い時間軸で起こるのではないので、ぴんとこないため、60歳以降にメンテナンスをされている方との差が大きくなってきます。
私はこう思います。
これからの歯科医院の役目は「歯を上手にを治す」ところではなく、「歯を一生使い続けるためにはメンテナンスを行うところであり、それでも虫歯になった時には最小限の処置で済ます」ところだと思います。
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