総入れ歯のむずかしさ

総入れ歯のむずかしさ

こんにちは。



鈴木歯科クリニック院長鈴木喜之です。



私は7年間にわたり総入れ歯の医局に

在籍し、500を超える症例を経験して

きました。



なかにはどうしても痛みがとれず、調整

と呼ばれる入れ歯の内面を削る処置を

繰り返すことも何度も経験しました。



ほとんどが下の総入れ歯におこります。



現在、歯科では下アゴの総入れ歯の

吸着が叫ばれています。



確かにぴったりして吸着している総入れ

歯は装着感もよく、咬めると思います。



咬座印象と呼ばれる咬む状態での

型をとることで、高確率で入れ歯の吸着

を実現できます。



しかしながら患者様に「痛み」があり、入

れ歯がすれて痛いところを調整すると

「入れ歯の吸着」はなくなります。



咬み合わせの位置の設定や高さ、今まで

使用してきた入れ歯での咬み癖など、様々

な所に配慮しても歯ぐきの厚みが薄い、

顎堤と呼ばれる歯ぐきのボリュームがない

と「痛み」につながります。




痛いところを削ればその場は痛みはなくな

りますが、何度も繰り返して削ることによっ

て、入れ歯が緩くなってますます入れ歯が動

いてしまい、さらなる痛みになってしまうの

です。



柔らかいシリコン系の材料も出ておりますが

私の経験では材料を変えてもうまくいかない

事の方が多いと思います。



かえってシリコン系の材料は追加や削ること

が困難なため1発勝負になり、調整ができず

もっと困難な事態になることがあります。



ではどんな解決策があるかというと、インプラ

ントのようにしっかり入れ歯を留めて動かない

ようにするのも1案です。




しかしながらほとんどは高齢で、歯ぐきのボリ

ュームがない方が多いので、もう一度、外形

を適正な大きさにしたり内側を邪魔にならな

いように追加することもあります。



あらゆる方法で調整しますが、簡単にはとれ

ない総入れ歯の「痛み」があるのも事実です。



本日も最後までお読みいただき

ありがとうございました





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