ひさしぶりにブログに書き込みします。
先日、インプラントのセミナーを受講した際にとても驚いたことがありました。現在、歯を失ってからの修復方法として入れ歯とインプラントがあります。インプラントの方が主流を占めてきておりますが、入れ歯にもたくさんいいところがあると思っています。まずは患者様の希望、体の状態、顎堤とよばれるアゴの骨のボリュームなどを勘案します。それに加えて歯医者の技量も大きく関与しています。難しいケースになれば大学病院やハイレベルな技術をもった機関に紹介しなければならないと思っています。
さてその驚いたことですが、セミナーの講師がインプラントの症例を示しながら患者さまから「おかげさまで食べれるようになったので太ってきました」と言われたが、患者様に「太ってはだめなのですよ」と伝えたという内容でした。
どういうことかといいますと、歯が少なくなると咀嚼がしずらくなるので、つい唾液で柔らかい食物をまぜるだけになり、すぐ飲み込んでしまうということです。その結果、咀嚼をしないため脳の満腹中枢に指令がいきずらくなり、過食になるということでした。
通常セミナーでは技術的な内容の話がされるのですが、セミナーの半分は咀嚼の大切さや咀嚼のトレーニングの仕方、評価方法など咀嚼に関係することだらけでした。
考えてみると、インプラントは入れ歯より咬めて当たり前と思っていましたが、天然の歯を失ってからは咬み合わせも変わり、それに慣れてしまっているのでリハビリのような咀嚼訓練は必要なのかもしれません。
安心、安全なインプラント手術にばかり目を奪われていましたが、もう一つ奥にある「咀嚼」に注目しなければならないと痛感しました。ある意味このためにインプラントがあるのですから。
入れ歯についても同様だと思っています。新しい入れ歯と以前使用していた入れ歯の違いを、どのくらい改善したのか評価しなければなりません。入れ歯ですと「痛くなくかめる」というところが歯科医師のゴールになって、どのくらいよく咬めるようになったかは無頓着だったような気がします。
もちろん、咀嚼指導やトレーニング、その後の評価など通院回数が2,3回余分にかかるかもしれませんが、患者様の了解があればさっそく鈴木歯科クリニックでも行っていきたいと思います。
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