奥歯の溝が黒くなっています。虫歯でしょうか?
口の中を鏡でふと見てみますと、奥歯の溝が黒くなっていることがあります。
全く気にされない方もいますし、虫歯をつくりたくない方はとても気になってしまいます。
その着色がどの程度虫歯として進んだものなのかが、ポイントになります。
患者様 「虫歯ですか?」という質問に対して、
歯科医師 「初期の虫歯です。」
患者様 「治療した方がいいですか?」
歯科医医師 「着色だけなら削らず、様子をみませんか?」
患者様 「でも、進行はしないのですか?」
歯科医師 「進行するリスクはありますし、いつ進行するかもわかりません。ただ今現在では処置をおこなうほどではありません」
という返答になります。
一般に、歯の表面にはエナメル質と呼ばれる鎧のような硬い第1層部分があり虫歯から守ってくれています。
虫歯が進みますと、そこを突き抜けてしまい、第2層である象牙質に及びます。
象牙質は柔らかい組織のために、虫歯の進行は早く、歯の中で穴になっていきます。
そうしますと、エナメル質の薄い外壁だけが残り、その下では空洞ですので、咬む力によって崩され、「虫歯の穴」となり、ようやく虫歯の存在に患者様は気が付きます。
最初の質問に対しては、見る(視診)ことをおこない、虫歯の進行がないないようでしたらソフトレーザー(虫歯測定器のようなもの)で進行の度合いを確認します。
進行しているようでしたら、レントゲン撮影をおこない、さらに確認をおこないます。
そこで削る治療に進むか、経過観察にするかを決めます。
また、他に考慮するものとして年齢的な要素もあります。
成人の歯の場合には、着色だけなら経過観察しますが、永久歯への交換期だったり、間食の多い育ちざかりの小中高生はシーラントと呼ばれるコーティング剤を歯の溝に塗る方法をとります。
着色程度であれば出来るだけ削らないということです。
P.S
定期的メンテナンスを受けている方は、本当に歯を削る必要があるかを慎重に決めます。(虫歯のリスクが少ない方ですので)
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