乳歯は生え変わるから、痛くなければそのままでいいですか?
最近では、ご父兄からあまり言われなくなりましたが、「乳歯だから永久歯とは関係がない」という思い込みでそのままになることがあります。
虫歯の穴があることは「虫歯菌のすみか」があるということです。それが何か所もありますと、口の中は虫歯のリスクが大きくなります。
一般に乳歯から永久歯への生え変わりは数年に渡りおこなわれます。
ある日突然、乳歯から永久歯に全部生え変わる訳ではありませんので、「虫歯菌のすみか」があると「生まれたばかりの永久歯」は当然虫歯になりやすくなります。
虫歯菌は目に見えないので、イメージがわかないためやむおえない事ですが。
また、虫歯の穴が大きくなりますと永久歯の歯並びにも大きく影響します。
特に多いのが7歳から10歳くらいの時期で、間食が多いため虫歯のリスクも上がり、しかも奥歯への生えかえの時です。
乳歯の奥歯に虫歯ができて放置していますと虫歯の穴が大きくなり、それにつれて6歳臼歯と呼ばれる永久歯の奥歯が前に傾斜してきます。
少しずつ少しずつ動いてきます。
そのことが、後から生えてくる小臼歯と呼ばれる歯の生えるスペースをつぶしてしまいますので、いきどころがなくなり内側にずれてはえてきます。
ひどくなりますと小臼歯1本内側に押し出されてしまい、その部分が清掃しにくいため永久歯になってからもまた虫歯になります。
「歯並びが悪い」ということは清掃性関わりますので、永久歯の虫歯に直結します。
8020運動(80歳で20本以上の歯を残す)を日本歯科医師会はすすめていますが、表彰される方は「歯並びがいい」と聞いたことがあります。
乳歯の虫歯は痛いから治すというものではなく、「生涯の体の健康のために治す」と思っていただきたいです。
P.S
乳歯がもうぐらぐらになっている時には治す必要がありません。乳歯の場合「生えかえの時期」も考慮します。
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