仕事中に奥歯で咬みしめていませんか?
最初は奥歯の歯がしみたり、熱いのものを飲むとしばらくジーンとしていたが、最近はズキズキ痛くなってきたと訴えて来院される患者様がおられます。
詳しく診察してみますと、一度も削ったことのないきれいな歯です。そして咬む溝を横切るように3mm程度のヒビを確認できました。
実は虫歯が原因ではなく、奥歯で咬みしめているために亀裂(ヒビ)が入っていることが原因だったのです。
歯にヒビがある患者様に日常生活について質問すると、仕事に集中すると無意識に咬みしめています。
このことは、力仕事をしている男性にも見られます。奥歯で咬みしめないと重いものを持ったり、運んだりできないからです。
一般に、虫歯が原因で歯の神経を除去しますと、歯が脆くなりますので、歯が欠けたり、歯が割れてしまうことがあります。
ただ、上記にあげましたように、虫歯がなくとも咬む力によって歯が破壊されてしまい、ヒビが入り、その亀裂が深部まで及んで歯の神経を侵しまうと、歯の痛みにつながります。
もっと進行しますと歯が割れてしまい抜歯になります。
正直なところ、歯の神経除去後は痛みを消失させることはできますが、ヒビについては修復できません。
ですので補強して歯全体をかぶせる治療と、咬み合わせの力を軽減する治療になります。
例えて言いますと、昔の桶のように「タガ」をはめ込むようにかぶせたもの(=差し歯)を装着し、奥歯でぎゅっと咬んでも紙が少し抜けるように調整します。
もちろん、ひびの入った歯に差し歯をかぶせたあとは、患者様にも硬いものや分厚いものを咬まないように意識(注意をして)をして咬んでもらいます。
P.S
前歯など鏡でよく見ると無数のヒビを発見された方もいると思います。
前歯の亀裂(ヒビ)は浅い部分で起こっており、表層だけですので、そのまま経過を見るだけになります。
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