その372

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保険診療では短期間に何度もやり替えは効きません。

前歯のかぶせ物の治療として、硬質レジン前装冠と呼ばれる保険診療があります。白いプラスチックを金属の土台に貼りつけた「かぶせ物」の事です。

この治療法は費用もリーズナブルで、白いかぶせ物ですから患者様には選択しやすい治療材質のため非常に多く使用されています。

ただ、欠点もあります。

1つには時間の経過とともに変色が起こり、「黄ばみ」が出てしまうことです。

また、白い材質である硬質レジンとはいうものの、咬む力には強度不足のため金属で裏打ちをしているということです。

舌側で目立たないように裏打ちをしているのですが、白い硬質レジン部分がはがれてしまうことがあります。

代表的な例として

前歯の先端で硬いものを咬み切るような動作した時。

奥歯は入れ歯でため、よく咬めないので前歯で咀嚼している時。

歯ぎしりなどの習癖がある時。

などがあります。

本来、金属と硬質レジン部分は「くっつき」の悪い材料同志のため、はがれた白い硬質レジン部分を「再接着してもまたとれる」ことが起こります。

理想的には最初から作り変えになります。

ただ忙しいなどの理由から再接着のみを希望される患者様も少なくありません。

ここで患者様には注意が必要になります。

保険診療では短期間での再治療は認めていませんので、再度の治療では保険診療はできなくなるということです。ただし、同じ歯科医院での場合です。

よくあるのが「忙しいから今回はつけるだけにしてください」とはがれた白い硬質レジン部分の再接着をおこなった。1か月後にはまたとれてしまい、今度は「最初からの作り変え」を患者様は希望したが保険ではできなくなることです。もちろん、再再接着も保険ではできなくなります。

保険診療はある一定のルールでおこなわれています。ですので、本当に再接着だけで本当に大丈夫なのか、かかりつけ歯科医に説明を受けていただきたいと思います。

P.S
かぶせ物や銀歯の脱離でも同じことがいえます。とれた歯の中が虫歯や歯が欠けてブカブカなのに、つけるだけにしますと、結局はすぐに外れてしまいます。

短期間で起きてしまいますと、2度目は3割ではなく10割になります。(ただし、同一歯科医院での治療になる場合)

この点は歯科医もきちんと患者様に伝えなければならないと思います。

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